「子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方」
親というものは、自分の子どもは親である自分たちが助けてあげなければ何もできない未熟な存在だ、という思いから離れることが、なかなかできない存在だ。
それこそ誕生の瞬間、両手のひらで収まってしまうような大きさのときから今まで見てきているのだから当然といえば当然だ。
だが、一旦それは忘れて、子どもを一人の自ら考えて行動する存在として尊重してみよう。
「子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方」の著者が言っていることはつまるところそういうことかな、と思った。
著者は言う。「一人で考え、一人でできる子」を育てろ、と。そのためには、「ほめる」「叱る」「指示を出す」...どれでもなく、「やるべきことを子どもに見せ、できるようになるまで待つこと」が必要だと説く。
えっ、ほめるのもだめなの?
ほめると、ほめ方にもよる部分もあるが、ほめられることが目的になってしまうのでNGだという。
できるようになるまで待つ...具体的には下記3ステップだ。
1) 親が望む子どもの具体的な言動がどれかを特定する(示す)
2) 子どもがその言動をするのをひたすら待つ
3) その場面でプラスのメッセージを視線を合わせて伝える
例えば、「朝、子どもを起こさない」。子どもは寝坊して遅刻=困る。すると、自分で早起きを試みる、目覚ましをかけるなどして工夫する。
同時に、親としては、工夫するように、自分で挑戦するように一言のアドバイスするなどして、促すべし、とする。
その後、早起きできるという成果が出た場合、子どもは、自分で行動すれば結果が出るということを自ら学ぶ。その体験がその先の人生に役立つのだ。
プレーヤーはあくまで子ども。親は子どものコーチ=暖かく見守って、さりげなくサポートして、時々一言アドバイスする以外は、ひたすら待ち、成果がでたら子どもに感謝の意を伝える存在であるべきなのだ。
主に自分のためのまとめです
「親」だって、かつては「子供」だった。
どの親もみんな「親」初心者。
子供を授かって、人は突然「親」になる。
その戸惑い。
そしてその戸惑いから次第に、「親」初心者が、「親」になっていく過程を肯定的かつ客観的に捉えたのが、鯨岡 峻「「育てられる者」から「育てる者」へ―関係発達の視点から 」。
名著。
親になる過程を、主観的かつ進行形で捉えたのが、宮藤官九郎「俺だって子供だ!」。
これまた名著。
核家族になって、ご近所もなければ、本を読んでみるしかない。
ということで、これまで読んできた教育書を、主に自分のためにまとめる意味で、記してみたい。